PARC TOP
連続ウェビナー
低炭素技術とSDGs
―気候対策だけでは済まされない企業の社会的責任とは
近年日本企業各社もSDGsへの貢献を謳い文句にして環境や社会性をアピールする光景がしばしばみられます。とりわけ、気候危機からの脱却に不可欠な低炭素技術に関わる産業などは、その本業を成長させることこそがSDGsの一つに掲げられている気候危機への対応を促進させること(ゴール13)につながることを強調してきました。
しかし、SDGsの主題は「誰も取り残さない」ことです。
一つの目標に貢献することが免罪符になる性質のものではありません。
本連続ウェビナーでは環境に配慮していることを謳う産業が、その実は別の意味合いでの環境破壊や先住民族や労働者の権利侵害をもたらしている事例を示す中で真なる意味でSDGsに貢献し、気候危機に対応する技術産業のあり方を考えます。
低炭素技術に関わるサプライチェーン上流の現場で起きていることを報告する活動家を招くとともに、市民と行政が一体となって問題を予防・改善するために取り組んでいる世界の事例を紹介します。
第一回:世界のオール電化が破壊する森林とそれをめぐる闘い
■日時:3月15日(火)19:00〜21:00
■スピーカー:カルロス・ソリージャ氏(環境活動家/DECOIN)
エクアドル北部インタグ地方は「生態系ホットスポット」とも呼ばれる、生態系豊かな森林が現存している地域です。この森林であらゆる電動技術に必要となる銅の採掘がはじめられようとしています。しかし、それは試掘の時点ですでに河川の汚染を引き起こしており、地域の生態系には多大な悪影響をもたらすことが危惧されています。
一方でエクアドルの憲法第七章では「母なる大地の権利」すなわち自然界の生存権が明言されています。この権利をめぐってエクアドルの法廷で争いが生じています。
果たして当局から企業に割り当てられた採掘権は自然界の生存権を超えるものなのか?
そしてそのような対立を起こして採掘された銅はSDGsの精神に適合するものなのか?
裁判の原告団を支えてきた現地の環境活動家カルロス・ソリージャさんに伺います。
※英日の逐次通訳が入ります
第二回:フェアな低炭素技術を求める市民の声は行政も動かす
■日時:3月17日(木)19:00〜20:30
■スピーカー:ビヨルン・クラーセン氏(エレクトロニクス・ウォッチ ディレクター)
EUではすでに様々な低炭素技術をめぐる公共調達が進められています。
しかし、その中には単に技術転換をするだけでなく、
同時に児童・強制労働、人権侵害、環境破壊を伴わない形で
調達することを目指す革新自治体が少ないながらも増えています。
その運動を支えてきた「エレクトロニクス・ウォッチ」のビヨルンさんに
近年みられる世界の自治体の動向とそれを支える市民社会側からの
運動をご報告いただきます。
※英日の同時通訳が入ります
第三回:日本の低炭素技術サプライチェーン
■日時:3月24日(木)19:00〜21:00
■スピーカー:波多江秀枝氏(国際環境NGO FoE Japan)
日本のメーカーが製造する低炭素技術用のバッテリ―
その原料はどのような現場から来ていてすでにわかっている問題は何か?
そして需要拡大によって今後さらに危惧される問題は何か?
あなたの手元の機器にも使われているかもしれない
鉱物の問題点を明らかにし、日本の市民としての責任を一緒に考えます。
■開催概要:
・参加費は無料です。
・オンライン会議システムZoomを用いて開催いたします。
・各回共通のZoomリンクを利用しますが、それぞれの回の直前にリンクを事務局よりお送りいたします。
・いずれの回に申し込まれた方も他の回もご参加いただけます。
■申込方法:
お申込みはこちら
■共催:
国際環境NGO FoE Japan
アジア太平洋資料センター(PARC)
■お問い合せ:
特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)
〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町1-7-11
TEL:03-5209-3455
E-mail:office@parc-jp.org
※本連続ウェビナーは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催いたします