PARC TOP>政策提言
世界の貧困や不平等をなくすためには、その現状を知り、原因をつきとめ、解決に向けた具体的な方法を考え、行動に移していくことが重要です。ひとりひとりが貧困の現状や原因を知り、周りの人に伝えていき、そして多くの人の同意が形成されていくことによって、大きな変化を生み出すことが可能となります。そうした変化を生み出すために、市民社会や政府、企業などに対して働きかけを行うことを政策提言(アドボカシー)活動といいます。政策提言活動は、政府もしくは国際機関などの公的機関に対して行うアドボカシー活動です。特定のイシューについて、現在の政策の問題点などを指摘し、具体的な政策を代替案として提言する活動です。
PARCは日本に活動の基盤をおくNGOですが、その活動は価値観を共有する世界中のNGOと結びついています。こうしたつながりを力に、政府開発援助(ODA)や累積債務問題、貧困や差別根絶などの社会開発問題、貿易・投資問題などをめぐって、日本政府や国連諸機関、IMF・世界銀行などに意見を申し入れ、具体的な提案をする政策提言を行なっています。
RCEP(地域的な包括的経済連携協定)について
ASEAN10カ国と日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国によって合意に達したRCEPの内容と課題を分析します。
日英包括的経済連携協定(日英EPA)について
英国のEU離脱に伴い、日本と英国の間で、日EU経済連携協定と同じ水準の新たな貿易協定を結ぶ必要が生じました。2020年6月から交渉は開始し、9月に大筋合意に至った協定の内容を分析します。
デジタル経済・貿易と科学技術イノベーション
デジタル貿易、デジタル経済、AI、IoT、ゲノム編集にキラーロボット・・etc. と、次々と科学技術イノベーションは進んでいますが、市民社会はこの事態にどのように向き合えばいいのでしょうか。人権、環境、労働、倫理、透明性、法規制など様々な観点から根本的に考える必要があるにも関わらず、その機会やスぺースはとても限られています。国際市民社会としての提言を行います。
日米貿易協定(USJTA)について
TPPからの離脱後、米国は韓米FTAやNAFTAの再交渉など、二国間交渉へと方針を変更した。日本との交渉については、2018年9月に安倍首相とトランプ大統領の間で日米首脳会談が行われ、その場で「日米貿易協定」の交渉を始めることが合意された。日本政府はこれを「物品だけが対象となるTAG(日米物品協定)」と説明してきたが、米国は非関税障壁や投資などの分野も含む包括的な貿易協定ととらえている。日米貿易協定の現状と問題点を報告する。
日EU経済連携協定について
日EU経済連携協定は、2017年7月6日に「大枠合意」に達し、2018年7月17日に署名された。2013年4月に第1回目の交渉会合が開催されて、5年3カ月の年月を有した。EU側が日本に求めてきた分野・項目は農産物の関税撤廃にとどまらず、非関税障壁(規制や規格などのルール)を含む、実に多岐にわたるものである。本レポートでは、日欧EPAの全体像をふまえつつ、特にEU側が最大の関心事としてきた非関税措置の撤廃についての問題を報告する。
【TPP交渉会合参加支援カンパ】
ご協力のお願い
秘密裡のTPP交渉の実態を把握し国内に伝えること、またグローバルな反TPP運動との連帯を強化することを目的に、PARCはシンガポール交渉に続き、事務局長・内田聖子をペルー現地に派遣いたしました。
長年交流のある米国パブリックシチズンの協力を得て、国際NGOメンバーとしてステークホルダー会議にも参加資格を得ています。さらには今後日本が交渉参加するという最悪のシナリオも想定しつつ、7月マレーシア、9月米国の交渉会合にも可能な限り、スタッフを派遣する方針です。
しかし限られた財政の中にあっては、十分な活動資金がまかなえない状態です。このたび恐縮ながら、皆様にはPARCの国際的なTPP反対運動へのカンパ(渡航費用・情報発信経費・印刷媒体の実費など)をお願いしております。
カンパをいただいた方には、現地からの発信やその後のご報告なども改めてさせていただきます。
TPPでは生きていけない!
2010年秋に菅直人首相は突然、「TPP(環太平洋連携協定)」への参加を表明しました。農業だけでなく医療、労働など多岐にわたる領域で例外なき自由化を行なうTPPに日本が参加すれば、すべての人にとっての安心して暮らせる権利が根こそぎ奪われてしまいます。PARCは、農民や社会運動団体、NGO、研究者などと連携して、TPPへの参加を反対すると同時に、日本でも、世界でも、誰もが生きられる地域・経済づくりを提言しています。
【緊急アクション】
オーストラリア オリンピック・ダム鉱山の拡張にNO!を
東京電力がウランを購入している、オーストラリアのオリンピック・ダム鉱山。福島第一原発で使われていたウラン燃料の一部も、この鉱山で採掘されたものでした。2011年10月10日、南オーストラリア州政府は、地元の先住民族たちの反対の声を無視して、この鉱山を3倍に拡張する計画を承認しました。私たちの電気のために、先住民族の権利や思いが無視され、豪州の人びとの健康が放射能によってさらに蝕まれることのないように、拡張の実行をとめるべく、関係団体にメールを送るアクションを行なっています。ぜひ、ご参加ください。
STOP! 無印良品イスラエル出店キャンペーン
イスラエルへの出店計画を見直すよう、(株)良品計画に訴えるキャンペーンに参加しています。イスラエルは、パレスチナの人びとに対し、さまざまな犯罪行為を行なってきた国です。何百もの国連決議がイスラエルによる占領・入植政策を非難してきましたし、ハーグ国際司法裁判所(ICJ)は、アパルトヘイト・ウォールの違法性を指摘しています。イスラエルによる犯罪行為を止めさせ、人権と国際法が守られる世界をつくっていくために、(株)良品計画にこの国への投資計画をぜひやめてもらいたいと私たちは考えています。
政府開発援助(ODA)
ODAに関する調査・研究に取り組み、1995年に「ODAを改革するための市民・NGO連絡会(現ODA改革ネットワーク)」発足に参画しました。ODAを受け取る側の人びとの声を日本に届け、最も必要としている人びとのニーズを満たすODAにするために政策提言活動を行ってきました。日本のODAが50周年にあたる2004年には、「アジアの人びとと語る日本のODA50年」と題した国際会議・シンポジウムを開催しました。
途上国の債務問題
PARCは1980年代から、国際通貨基金(IMF)・世界銀行といった国際金融機関が実施する構造調整政策が貧しい人びとに悪影響を及ぼすとして、問題提起、政策提言活動を行ってきました。1990年代に途上国の返済不可能な債務を帳消しにしよう、という国際的な運動(ジュビリー2000)が広がると、PARCは日本での運動の中心となり、「ジュビリー2000債務帳消し日本実行委員会」を立ち上げ、2000年のG7沖縄サミットの際には、那覇にてjubilee2000国際会議を開催、債務帳消しを求める50万人もの署名とJubileeからの要請書を日本政府に手渡しました。
紛争解決・反戦平和のための提言・アクション
PARCは、1970年代の「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」の運動の中で生まれました。アジアと世界の平和のために何かがしたい、と多くの市民が集った広範な反戦運動でした。それから40年近くたったいまも、世界各地では紛争・戦争が続き、多くの人びとが戦禍の中で暮らしを脅かされ、不安定な状態に置かれています。PARCは国内外のネットワークを活かして、反戦平和/反基地・紛争解決のための提言活動やキャンペーン、デモ、講演会などを行なっています。