特集 恐慌前夜─世界はいかに再編されていくのか?
現在、私たちが直面する世界規模の経済収縮は、金融危機、大不況といった次元を超え、未曾有の恐慌(パニック)へと歩みを進めつつある。天文学的な額の国債発行も、いずれ行き詰まることは避けがたい。予想されるのは国債の引受先の「枯渇」であり、基軸通貨・米ドルの大幅な減価による資産急落もいよいよ現実味を帯びてきた。文字通り100年に一度、深刻で長期的な危機へと発展していくのかもしれない。特集では、歴史的な構造変化と危機拡大の全貌を検証しながら、私たちの暮らしの足元で「いま起きてること」「これから起こること」を説き明かしていく。とりわけ日本の危機は深刻だ。暴風雨吹きすさぶなか、「対岸の火事」も炎はこちらに向かいつつある。他人事の運動では済まされない。今度こそ私たちの意思と責任が問われるだろう。
- ロングインタビュー 本山美彦(経済学者)
- グローバル恐慌下の地球経済
─なぜいま、我々はここにいるのか 浜 矩子(エコノミスト)
- 日常生活=運動
─三つの移行から 廣瀬 純(映画論)
- 金融危機とオルタナティブ
─債務問題から国際連帯税まで 稲垣 豊(ATTAC Japan)
- 「お金」崩壊に突き進む世界経済
青木秀和(市民研究者、財政アナリスト)
- 出稼ぎ労働者の「暴動」と中国社会 小原江里香(中国研究)
- 食料価格高騰の顛末、そして経済不況 南アフリカ
津山直子(日本国際ボランティアセンター)
- 忍び寄る農業恐慌と企業参入 大野和興(農業ジャーナリスト)
特別記事
- インタビュー ローカリゼーションの持続可能性
ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(言語学者)