特集 連帯経済
新自由主義のもとでのグローバルな市場経済は、人間や環境よりも利潤の追求を最優先とし、世界中の人びとから生きる権利を奪い続けてきた。しかしこうした暴力的な経済の波に巻き込まれながらも、人びとは協同・共生・信頼に基づく小さな経済活動を、生きるために、暮らしの中で確かに紡いできた。
労働者・農民・消費者などの協同組合、市民がお金を循環させるNPO バンク、南北の公正な取引をめざすフェアトレード、貧困や社会的排除を解決するための共助システムの構築――例を挙げればきりがないほどの多様な取り組みである。
「連帯経済」は、これら営みの総称であり、その一つひとつに光をあて、名前をつけ、互いに知り合っていく道のりをも含む。すでに私たちの日常の中に存在する、「連帯経済」の芽を探してみよう。これまでとは違う世界の姿が違って見えてくるはずだ。
- 底辺から、実生活の中から新しい経済を創るための戦略 イーサン・ミラー(Grassroots Economic Organizing)
- 協同組合が支える助けあいの経済 小池洋一(立命館大学教授)
- グローバルに広がる連帯経済のネットワーク 編集部
- お金の流れを変えれば、世界は変わる
─市民金融の可能性 田中 優(未来バンク事業組合理事長)
- いのちをつなぐ労働と経済を
─サブシステンスの視点で世界を見る 古田睦美(長野大学准教授)
- 農村女性たちの小さくて豊かなビジネス 内田聖子(PARC事務局長)
特別記事
- 村上春樹のエルサレム・スピーチを批判する 松葉祥一(哲学者)
- ミサイル防衛という〈情事〉 山口 響(ピープルズ・プラン研究所)
連載
- here and there 16 写真/山下恒夫※
- もうたくさんだ! 鶴見 済(ライター)
- 不思議の国のフェミニズム(5) 杉田俊介(ケアワーカー、フリーターズフリー)※
- 北京で考える 丸川哲史(明治大学教員)
- 隣のガイコク人 取材・文/大月啓介(ジャーナリスト)
- アシタノ アシアト 星川 淳(作家、グリーンピース・ジャパン)
- メディアから時代を読む 紙屋高雪(オタクコミュニスト)
- 沖縄・見たことのない映像 東 琢磨(音楽評論)*短期連載
- オンナたちのDiY 杉村和美(編集者)◇
- ODA考現学 高橋清貴(日本国際ボランティアセンター)
- エコ・ロジカル・ジャーニー 奥田みのり(ライター)
- Around the World
ビルマ 根本 敬(上智大学教授)
キューバ 伊高浩昭(ジャーナリスト)
トルコ 内藤正典(一橋大学教授)
韓国 金 友子(立命館大学研究員)
- オルタの本棚
- BOOK+CINEMA+DVD
- Route 246 vol.1 渡辺 篤 *新連載
- もうひとつのメシは可能だ 抵抗食の会(仮)
- 漫画連載 浜崎あゆ夫
- グラフィック連載 成田圭祐(IRA)
- ※=リレー連載、◇=インタビュー