新自由主義のもとでのグローバルな市場経済は、人間や環境よりも利潤の追求を最優先とし、世界中の人びとから生きる権利を奪い続けてきました。
しかしこうした暴力的な経済の波に巻き込まれながらも、人びとは協同・共生・信頼に基づく小さな経済活動を、生きるために、暮らしの中で確かに紡いでいます。労働者・農民・消費者などの協同組合、市民がお金を循環させるNPO バンク、南北の公正な取引をめざすフェアトレード、貧困や社会的排除を解決するための共助システムの構築――これらが「連帯経済」と呼ばれる小さな経済活動です。
2009年11月、東京にてアジア各国から40名のゲストを招き、「アジア連帯経済フォーラム2009」が開催されました。5つの全体セッションと5つの分科会からなるフォーラムでは、日本とアジアの連帯経済の実践が出会い、経験交流と議論を行ないました。そのすべての記録をまとめた報告集です。