特集 復興は人びとの手で
3.11東日本大震災から約半年が経った。
いまだに余震もあり、なにより福島第一原発の事故は収束しておらず、
災害が終わったとは決して言い切れない。
一日でも早く事故が収束し、安全が確保され、
人びとが安心して「これから」のことを考えられるような日が来ることを切に願う。
その一方で、福島第一原発から距離の離れた宮城、岩手の各地では
すでに復興に向けた様々な動きが進められている。
特に内閣官房の復興構想会議が6月下旬に提言を出して以降、
9月の補正予算に間に合わせるために、
多くの自治体が急ぎで復興計画の作成を進めている。
また行政だけでなく大手コンサルやゼネコンなど民間の主体からも
様々な復興計画やプロジェクトの提案がなされている。
しかし、本当に人びとが望む復興プロセスとはどうあるべきなのか?
誰かから与えられる復興計画を享受するだけで人びとの望む復興は実現するのか?
本特集では、人びとの望む、あるべき復興を考える上でのポイントを整理した上で、
2005年夏に超大型ハリケーンに襲われたニュー・オーリンズ、
2004年12月にマグニチュード9を超える地震に伴う津波で
甚大な被害を受けたインド洋沿岸地域、
そして2004年10月にマグニチュード6.8の大地震に直撃された新潟県山古志村(当時)の
それぞれの復興プロセスを振り返り、
そのプロセスの問題点や成功事例を見る中で、あるべき復興のヒントを探る。
また、復興とともに語られる被災者の「心のケア」や、
「コミュニティ再生」のあり方についても掘り下げる。
- 復興を巡る3つのポイント―復興の「こころ」、「かたち」、「かまえ」/室崎益輝
- 『カトリーナ・ブルース』で揺れる「帰宅する権利」/Kenneth M. Reardon
- インド洋の経験、人びとの手による復興/穂坂光彦
- 山古志の「奇跡の農園」/明峯哲夫
- 「心のケア」とは何か/宮地尚子
- コミュニティ・ガバナンスとローカル・ノレッジ/吉原直樹
特別記事
加速するメコン河の本流開発/土井利幸
連載
- ゆらぐ親密圏−<わたし>と<わたし・たち>の間 海妻径子
- 生活日録
- Around the World
- 早耳!佐久間智子のしゃべくり放題
- オルタの本棚
- 祝島通信
- 活動リア充映像集
- 貧魔女たちがニッポンを萎えさせる
- PARC/パルシック インフォメーション