PARC TOPPARCの資料について

『PARCの資料について』

 アジア太平洋資料センター(PARC)が設立されたのは1973年。活動の前身は1969年、ベトナム反戦運動の中で生まれた英文雑誌『AMPO』。この雑誌のサブタイトルは「A Report From the Japanese People's Movement(日本の民衆からの発信)」。この名が語るように、英文『AMPO』はこの時代に日本で躍動した広い意味での新左翼や三里塚や水俣、沖縄などの動きを海外に伝える役割を果たしてきました。

『AMPO』を通じて日本とアジアの運動や人びとの声を海外へと発信する中で、逆に海外の仲間や友人・運動団体から多くの発行物や資料が届くようになっていきました。NGOや運動体のニュースレターや雑誌、年報や活動報告書、単行本、時にはメモや写真と、その形態はさまざまですが、どれもそれぞれの国や地域の中で社会変革をめざして、丹念につくられた資料であり、時代を紡ぐ記録でした。「アジア太平洋資料センター」という名の由来はここにあります。

 その後は、海外からの資料だけでなく、国内の市民運動・社会運動のニューレターの交換も始まり、やがては国連機関や政府機関の統計や資料類等も次々と集積されていきました。

 これらの資料は、創設から40年近くが経ち、インターネットメディアが浸透した現在も、日々PARC事務所に届けられています。その数はかつてよりは少なくなったものの、逆につくった人たちのぬくもりや思いがひしひしと伝わってくる、大切な資料であり記録であることに変わりはありません。

 PARCでは、これらの資料を事務所にて保管・一般公開し、一定期間を過ぎたいくつかの資料に関しては、1997年から埼玉大学経済学部社会動態資料センター(のち埼玉大学共生社会研究センター、現:埼玉大学共生社会教育研究センター)への寄贈を開始しました。2011年以降は、PARC資料を含む埼玉大学共生社会教育研究センターの全コレクションを受け継ぐ形で設立された立教大学共生社会研究センターに寄贈する予定です。

 立教大学共生社会研究センターは現在、PARC資料、そして2001年に活動を終えた「住民図書館」の収集資料、さらに埼玉大学での収集分を加えた約24万点の住民運動・市民運動資料を所蔵・公開しています。また反公害運動で知られる宇井純さんやPARC創設メンバーの鶴見良行さんの個人資料なども今後所蔵・公開する予定(2012年4月以降、それまでは埼玉大学で利用可能)とのことで、まさに日本とアジアの民衆の結節点となる膨大な資料を有する貴重な場です。

PARCは同センターと連携し、一人でも多くの市民にこれら歴史の記録を公開することで、今後の市民運動・社会運動へ寄与したいと考えています。PARC資料はもちろんのこと、大手メディアでは決して取り上げられない人びとの声の集積であるこれらの資料について、ぜひ皆さまにも知っていただければ甚大です。

 また、日頃PARCに資料をお送りいただいている団体・個人の方には、この場をもちまして御礼を申し上げるとともに、PARCと立教大学共生社会センターとの協働の趣旨をご理解いただき、お送りいただいた資料の一部を同センターに寄贈していることをご了解をいただきたく存じます。

 資料閲覧のご希望やお問合せなどありましたら、PARC事務局までお気軽にお問合せください。

2010年12月20日

                              特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)

【参考ウェブサイト】
埼玉大学共生社会教育研究センター
立教大学共生社会研究センター
立教大学共生社会研究センターの「所蔵資料の概要」

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