特集 労働開国?─移民・外国人労働者・フリーター
ここにきて、外国人労働者や移民受入れへ向けた動きが活発化している。6月に自民党のプロジェクトチームが1000万人の移民受入れ提言を首相に提出。去る10月には経団連が、やはり受入れへの転換を強く促す政策文書を発表した。ともに人権尊重と民族の平等など「多民族」「多文化」共生を掲げながら、タブーとされてきた外国人労働者の導入を主張している。いよいよ本格化する少子高齢化、労働力人口の減少を控え、もはや国籍に関係なく日本経済/社会に資する人材の優遇へと舵を切ったかのように見える。こうした形での受入れにどう対峙すべきなのか。あるいは研修生問題や非正規滞在者排除など、いまここの外国人問題は、「格差」「貧困」の議論といかなる関係にあったのか。グローバリズムとナショナリズムの交差する場から、新自由主義体制下の“多文化”や“平等”を考える。
- 討議 五十嵐泰正×塩原良和×宣 元錫
- 介護「開国元年」
─導入の背景と課題 安里和晃(移住労働研究)
- 日本型外国人政策の敗北
─ニューカマー20年の経験から ななころびやおき(弁護士)
- それは「問題」ではないかもしれない
─外国籍住民が集住する団地から 松宮 朝(社会学)
- 郊外暴動から全国的な運動へ フランス 昼間 賢(フランス文学)
- 外国人労働者問題?
─神奈川シティユニオンの取り組みから 大月啓介(ジャーナリスト)
- 「夢の国」ドバイの移住労働者 福田友子(移民研究、国際社会学)
- ミドルクラス化する多文化主義
─新自由主義体制下の移民政策を考える 渋谷 望(社会学)
- 「03のまま」つながる大連のコールセンター 編集部
特別記事
- 公園くらい休ませろ!─宮下公園「ナイキ化」計画の真実
植田那美(移動する広場)×黒岩大助(のじれん)×武 盾一郎(現代美術作家)
- 「9・11」後のアフガニスタン
─NGOスタッフ殺害事件を受けて 白川 徹(アジアプレス)