特集 市場制度でCO2はほんとうに減らせるの?
1997年12月、京都で開催された気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)の場で京都議定書が採択された。その運用ルールをめぐって長い間議論が重ねられ、その間アメリカが議定書から離脱するなど紆余曲折を経たが、2005年2月にようやく発効した。京都議定書は、無料で温室効果ガスを排出できなくすることで同ガスの削減をはかる取り決めとして、人類史上画期的なものである。各国が削減のための重要な手段としているのが、同議定書で定められている市場制度を活用した京都メカニズムである。
今回の特集では、市場制度の活用でほんとうに温室効果ガスは減少するのかについて検証していく。まず京都メカニズムについての基礎知識を得たあと、排出削減を具体的に検証する。次に、実際に名古屋で始められている排出量取引について学ぶ。最後に、途上国の視点から京都メカニズムを評価する一環として、インドにおいてこれがどう機能しているかを学ぶ。
- 京都メカニズムとは何か 斎藤千宏
- すすむ炭素の私財化―京都メカニズムは持続可能な開発に有効か? 飯田哲也
- CDM日本モデルの構築をめざして〜構想から行動へ〜 向井征二
- 排出量は「金融商品」か!? ダウン・トゥー・アース編集部
連載
- グラビアpeople's Eye15 友岡美津子 エクアドル 赤道の国 バナナの木の下で
- わたしの平和論4 北沢洋子
- 生活日録 インド3 鶴留聡子
- 今ヨムこうヨム時代の書2−鎌田慧『自動車絶望工場―ある季節工の日記』 越田清和
- ジャフナ通信13 小野山亮
- せかいの体に効くハナシ2 宮下正義
- ワールドインフォ
- オルタの本棚 書評『明仁さん、美智子さん 皇族やめませんか』評者:丸山重威
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